相談者は主婦の福子さん(仮名):女性、30代、夫の扶養内でパート勤務。最近副業でフリマアプリを利用して継続的に収入(利益は20万円以下)を得ています。
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藤井
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はじめまして、フリマアプリの副業の確定申告についてのご相談ということで、内容をお聞かせください。
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福子
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はい、よろしくお願いいたします。
少し前までは、フリマアプリを使って、3歳の娘が着なくなった洋服などを売っていたのですが、現在はネットでの販売が楽しくなったせいもあり、子供服や玩具を仕入れてフリマアプリで副業販売するようになりました。
副業の売上が多くなってきたので、確定申告をしなきゃいけないのかどうか不安になって相談させていただきました。
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藤井
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なるほど。では、フリマアプリ等による副業の確定申告についてお話しさせていただきます。結論から申し上げますと、事業として行っていなければ、基本的には、生活用動産の譲渡による所得は申告不要となります。生活動産の具体的な種類は以下の通りです。
生活用動産の譲渡による所得
家具、什器、通勤用の自動車、衣服などの生活に通常必要な動産の譲渡による所得です。ただし、貴金属や宝石、書画、骨とうなどで、1個又は1組の価額が30万円を超えるものの譲渡による所得は除きます。
国税庁ホームページより
※生活用動産にあたる品物でも、継続的に販売して利益を得る場合は課税の対象となるので申告が必要です。また上記の通り、不用品でも貴金属など高額商品の場合、確定申告が必要となる場合もあります。
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福子
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そうなのですね。貴金属などの販売はしていないのですが、子供服の販売は継続的に儲けも出ているので事業に該当しそうですけど・・・事業としてやっているという意識は全くないのですが、その辺の判断ってどうすればよいのですか?
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藤井
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なかなか判断が難しいですね。
フリマアプリの副業での売上については、確定申告の所得に当てはめると、事業として行っている場合は「事業所得」。事業とまで言えない場合は、「雑所得」として扱うこととされています。
フリマアプリを使った事業所得の事業規模というのは法律で明確にはされていません。ちなみに事業所得自体の定義は以下の通りです。
所得税法27条1項に規定する事業所得とは、自己の計算と危険において独立して営まれ、営利性、有償性を有し、かつ反覆継続して遂行する意思と社会的地位とが客観的に認められる業務から生ずる所得をいうものと解される。
最高裁判決より
非常にわかりにくい表現なのですが、独立して営まれ・反復継続・客観的というフレーズがポイントですね。まずは、金額で判断するのが客観的で一番わかりやすいですね。
また、片手間や趣味でやっていて、小遣い稼程度の収入かどうかによって判断するのも一つの判断の基準となりますね。(参考例としてお考え下さい)
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福子
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なるほど。まずは年間の売上金額や仕入金額で判断して、あとは継続性で判断するのがよいのですね。今の副業は扶養の範囲内ですけど、今後フリマアプリを事業としてやる場合のメリット・デメリットはあるのですか?
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藤井
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フリマアプリによる副業限らず、本格的に事業として行う場合、税金面ではかなりの優遇措置(65万円の青色申告特別控除・赤字の繰り越し・損益通算等。具体的な内容は今後紹介します。)が受けられるというメリットがあります。
反面、青色申告では複式簿記による帳簿作成が必要となったり、また、税務署に提出する届出・申請書もあり、作業が煩雑化するというデメリットもあります。
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福子
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パートで働きながら、事業として、フリマアプリをやるのは結構大変そうですね。
相談、ありがとうございました。